2026/02/20
「第8回FLECフォーラム+(プラス)〜子ども子育て支援施策の包括化に向けて〜」を2026年1月30日~2月1日に開催
FLECフォーラムは、すべての子どもたちに家庭での生活を(Family Life for Every Child: FLEC)という思いをこめて、家庭養護とその関連分野にさまざまな立場で携わる関係者が集い、相互のネットワークの構築・強化を図るとともに、実効性のある施策について意見を交わすことを目的として、これまで7回、開催してきました。
第8回目となる今回は、子どもの居場所事業等地域の家庭支援事業者が集まる団体である「社会的養育地域支援ネットワーク(しゃちネット)」、里親支援を中心とした事業者が集まる団体である「家庭養育支援機構(ディア)」、そして札幌を拠点に障害児支援と社会的養護を融合した他に例のない支援体制を展開する「麦の子会」との合同フォーラムという枠組みで、地域の子ども家庭支援と社会的養護、さらに障害児支援なども含む子ども子育て支援全体の包括化をテーマに、さまざまな課題を取り上げました。
WEB開催でもありましたが、会場である早稲田大学国際会議場には、連日、多くの方が参加されました。
家庭養育支援機構は、主催団体の1つとして、このフォーラムにかかわり、フォーラム1日目の1月30日に、シンポジウム「家庭養育推進における協働を考える~里親との協働と社会による子育て~」を企画しました。
国際会議場とWEB開催で、 この日は、会場141名、オンライン108名参加と、大変盛況でした。
シンポジウムは大きく2つにわかれていて、前半は里親と企業との協働のありかた、後半は、QPI(Quality Parenting Initiative) 、とくに実親との協働についてがテーマでした。
QPIについては、機構のホームページに専用ページがありますので、そちらもご覧ください。
最初に家庭養育支援機構の上村宏樹事務局長が、機構について説明しました。
登壇者として、最初に、早稲田大学人間総合研究センターの西郷民紗氏が、一般の人に向けたアンケートの結果を踏まえて、社会での里親制度の認知度、自分がやってみたいと思うかなどについて報告しました。次にエレコム株式会社ヘルスケア事業部の葉田甲太氏より、ご自分の途上国での医師としての経験、そして、いま社で実践されている里親を支援する制度についての説明がありました。それらを受けて、こども家庭庁支援局家庭福祉課の胡内敦司氏より、こども家庭庁が企業に向けて、そして企業で働く里親家庭に向けて、どのようなとりくみを行っているのかのお話がありました。
そのあと、家庭養育支援機構の理事長である上鹿渡和宏早稲田大学教授より、いままでの話へのコメントがありました。
後半では、最初に社会福祉法人麦の子会理事長の北川聡子氏より日本における里親制度のありかた、そしてその課題についてお話があり、QPIが新たにひらく可能性についてもお話しされました。続いて、山梨県中央児童相談所処遇指導・移行支援課の安留昭人氏より、先駆的に実践されている里親と実親による共同(協働)養育についての報告と、そこにQPIの考え方を入れていった過程などがお話しされました。また長野県こども・家庭課児童相談・養育支援室の井口真一氏より、社会的養育を推進してきた長野県が、QPIに出合い、研修を重ねて、それをこどもの養育のために活かしていく過程が報告されました。その後、このことについても、胡内氏よりコメントがありました。
西郷氏のアンケートからは、日本での里親の認知度の低さや、自分が里親になるかについても賛同する人は少ない、などの結果が見えてきましたが、背景には、子育てがしにくい日本社会があることも明らかになっていました。一方、葉山氏が提案された里親への制度は、里親だけにとどまらず、「すべての子どもに、家庭という居場所を」という社会全体に向けての提言だと、私は受け止めました。また、QPIについても、いままでは里親だけで行ってきた養育を、地域、さらには、実親も含めて、これも社会全体で支えていこう、というもので、長野県、山梨県とも、こども中心の里親と実親による家庭養育の、これからのありかたを提言されていました。
里親制度は今後ひろまっていくには、子育てがしやすい社会、子どもを大切にする社会が必要なことを、あらためて実感できるシンポジウムでした。
(坂本純子)