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2025/09/01

研修実施報告

全国交流研修会を開催しました

 家庭養育支援機構の春の全国交流研修会は、100名を超える参加を得て、2025年5月29日に日本財団ビルで開催しました。

 プレイベントとして、映画「まだ見ぬあなたに」を上映。上映前には、この映画の企画にたずさわった佐藤剛理事より、この映画の企画の背景についての話がありました。

 

(上鹿渡 和宏 理事長)

 

 第1部では、基調講演で上鹿渡和宏理事長が「家庭養育支援機構のミッション―‐パーマネンシー・アタッチメント・こどもの権利」をテーマに、子どもにとって大切なおとなとのつながり、安心と挑戦、自分らしく育つこども期を保障する社会の実現の重要性を述べました。里親をサポートする企業についての言及もありました。

 次に、日本財団公益事業部子ども事業本部長の高橋恵里子氏よりご挨拶いただき、家庭養育支援機構の意義、さらにQPIについても、お話しいただきました。

朝日新聞厚生文化事業団の中村宣人氏からは、新規助成金事業である「地域こどもつなぐ応援金」の説明がありました。20歳未満で高校在学中であり、「①社会的養護を経験し家庭に戻った、または、地域で特に支援が必要。②支援機関から継続的な支援(ソーシャルワーク)を受け、推薦されている。」人を対象に年間10万円(別途卒業祝い金あり)を届ける事業です。その申請方法などの詳しい説明がありました。

こども家庭庁支援局家庭福祉課課長補佐の胡内敦司氏は、最新の国の里親関係事業を解説されました。フォスタリング事業の拡充、里親への委託前養育等支援事業などのほか、改正児童福祉法にもとづく里親支援センターの状況、そのほか里親養育支援にかかわる、より充実した制度についてのお話がありました。

 

(上村 宏樹 事務局長)

 

 そのあとに、当機構の上村宏樹事務局長より家庭養育支援機構が2024年度にどのような活動をしたのかの報告がありました。現在12の事業を進めており、それぞれの説明と、また、お互いの事業の関連性についても報告しました。

 

(反田 篤志 氏)

 

 

(宮島 俊介 氏)

 

 マッキンゼー・アンド・カンパニー・インコーポレイテッド・ジャパンは2022年から里親に関連する調査を続けています。今回、パートナーの反田篤志氏と宮島俊介氏からは、昨年の里親体験設計の取り組みも踏まえ、今年は里親活動率向上に向けた里親委託の業務オペレーション上の課題解決を推進することに向けてのお話がありました。

 ここまでで、かなり密度の濃い内容でした。

 

 さらに第2部の「協働養育について」では、北川聡子副理事長が協働養育の意義と、麦の子会での「日本型家族支援」を述べたあと、当事者の方々が登壇されて、子どもを実親と里親双方で育んでいることについてのお話がありました。

 そしてシンポジウム「どうする里親養育」では、長田淳子理事からは、里親支援にあたって二葉乳児院が多角的に取り組んでいること、渡邊守理事からは今までの具体的な実践とともに安全な養育と里親養育に求められることと、これまで以上に子どものニーズに応えること、そして北川副理事長からは、QPIとともに、里親が、しっかりと社会的養護を担う役割を果たすためにどのようにしたらいいのか、など多くの意見・提言がありました。それらを受けて橋本達昌副理事長のファシリテーションで議論を深めました。

 そのあと、いままでの登壇者の話をもとに、少人数のグループによるワークショップを開催。里親養育をめぐる活発な話し合いとともに、その場で新たなネットワークもできたようでした。

 当日は平日の午後でしたが、対面で多くの方にご参加いただけましたこと、御礼申し上げます。

 懇親会も、多くの方が参加して、日々考えていることをともに語り合いました。

 密度の濃い内容をご満足いただけた反面、限られた時間で発表だったこともあり、資料の事前配布が必要だったのでは、もっと各登壇者に時間があったほうがよかったのでは、などの課題もいただきました。今後の運営に、ぜひ反映していきたいと考えています。