2025/10/15
こども家庭庁の予算概算要求を、里親の視点から見てみると
里親月間が始まりました。里親制度について、いろいろなところで報道されたり、講演会が開かれたりしています。
その里親制度ですが、里親から見ると、こうなったらもっといいのでは、ということは日ごろからあると思います。それが、今後どうなっていくのかは、知りたいところです。
そんなとき、「里親制度が、今後どうなっていくのかを知りたいならば、8月末に出た、こども家庭庁の予算概算要求に書かれている施策を見るといいですよ」と家庭養育支援機構の橋本副理事長から教えていただきました。そこで、早速、令和8年度のこども家庭庁の予算概算要求の内容を見てみました。
このような資料を見ることには慣れていないのですが、里親として、目にとまったのは、以下のことでした(ここの内容はわかりやすいようにまとめていますので、詳細はこども家庭庁「予算概算要求」をご覧ください)。
①共働き家庭里親支援モデル事業(仮称)
2024年3月1日現在、委託里親数(5268)のなかの夫婦世帯(4567)のうち、共働き世帯は2683,約58.7%になります(『社会的養育の推進に向けて』こども家庭庁、2025年6月)。例えば、子どもの委託が決まったあとから保育園に入園する前までのあいだ、自宅で子どもを養育するときのために独自の休暇制度を導入する企業、そして、里親の委託等と仕事が両立できるために先進的に取り組む里親支援センターやフォスタリング機関に対して支援を行う事業です。
②障害児里親等支援体制強化事業(仮称)
障害のある子どもと暮らしている里親家庭などを支援する事業になります。
里親家庭に必要とされている支援が何かを把握して、それを行うこと、そして、里親家庭への訪問、障害児施設との連絡調整や連携などをすることで、障害のある子どもと暮らしていて不安などを感じている里親などへ支援していくフォスタリング機関や里親支援センターが対象となります。
③里親負担軽減事業
里親身分証明書の発行に必要な備品の購入等にかかわる経費を、自治体の関連の部署に補助する、という事業です。
いまは自治体によっては里親身分証明書が発行されていますが、私自身、かつては里親身分証明書がなく、苦労したことが、しばしばありました。
そのほか、この予算概算請求には、里親支援センターやフォスタリング機関に関連することなどが書かれています。より詳しい内容は、こども家庭庁のホームページから読むことができます。今後、里親家庭にもかかわってくる内容が多くありますので、見ておくことの大切さを感じました。(坂本純子)